2017/07/20
NPO法人 石巻・田代島島おこし隊(以下「しまおこし隊」と略表記します)の所轄庁でありご指導をしてくださる立場の「宮城県環境生活部共同参画社会推進課 NPO・協働社会推進班」さんより、この度、下記のようなご説明要請をいただきましたので、この記事にて市民の皆様にご説明、ご報告させていただきます。
<要請をいただいた要説明事項>
・説明要請をいただいた内容は、4項目あります。(下記に個別に記述)
・それぞれについて、その事実の有無及び事実誤認などがある場合はその内容。また、適正化に向けた今後の対策及び改善策等の説明をご要請いただいています。
(1)しまおこし隊の主たる住所は「宮城県石巻市住吉町1-6-20」であるにもかかわらず、主たる事務所に前事業年度の事業報告書、役員名簿及び定款等を備え置いていない。このことは、特定非営利活動促進法(NPO促進法)の第28条第1項及び第2項に違反するおそれがある。
(2)正会員が総会の招集を受けた認識がない。このことは、NPO促進法の第14条の4に違反する恐れがある。
(3)事業報告書に記載の固定資産は、石巻市田代島に開設予定のWAQUA(ワクア)であるとのことだが、法人所有としての権利関係が不明である。
(4)しまおこし隊の名称で行われている「田代島しまおこしプロジェクト」に係る募金活動は、特定の法人会員が統括しており、集められた募金は、その法人で管理され、当法人に入金されていない。
以上4項目に関して、下記にてご説明いたします。
<ご説明>
1、要説明事項に関し個別のご説明に先立って、改めてしまおこし隊自体のご説明
各項目のご説明に先立ちまして、わたくしたちしまおこし隊の設立目的と、その目的を遂行するために構想しているプロジェクトのストラクチャー(組織構造)からご説明する必要があります。少々長くなりますがご確認いただきたく、以下にてご説明させていただきます。
⬛︎ しまおこし隊の発足
東北の大震災、津波の被害を見て嘆かなかった方はおられないと思います。
震災直後から多くの支援が集まりましたが、あの被害から街々が復興するには長い年月がかかります。
時の経過とともにさまざまな支援が終了している事にも致し方のない事情があると思います。
わたくしたちは、震災からの6年が経ってもまだ復興にご苦労している地域で、海の恵み豊かな地域性を活かした復興をお手伝いしたいとの思いで発足いたしました。
⬛︎ 田代島の様子
最盛期2000人と言われた田代島は、現在住人が50人以下になり、さらに毎年のように減少し続けています(住人をどう定義するかでその数は多少異なると思います)。まさに、超限界集落状態。
また、これまでに島で行われてきたNPO活動が多々あり、参考としてそれらのお話をうかがってまいりましたが、それらを持ってしても減り続けている人口であるときに、わたくしたちは島の復興をどのように考えるか論議してまいりました。
⬛︎ 復興とは何か、考えました
復興とは、その地域に産業が起きて、雇用が発生し、その地に住む人が増えて、その地で子供が生まれて、その地を故郷として愛する人が増える事である。そのように考えました。
休日にこの島に来る方が増えるだけではなく、この島に住む人が、昔のように数百人、千人単位になることがわたくしたちの復興活動における目標です。
それを実現するために、しまおこし隊の目的は、多種多様になりました。
⬛︎ わたくしたちの目的と、活動の種類、事業(定款より)
・しまおこし隊は、石巻市の豊かな自然や海洋資源と「猫の島」という特色を持った田代島の魅力を世界に向けてアピールし、空き地と空き家を活用しながら自然の中での滞在と学びを子供たちや大人に提供する事業を行うことで、豊かな感性を持った人材の育成を図り、石巻市及び田代島の活性化と海洋レジャーの振興に寄与することを目的とする。
活動の種類
(1)観光の振興を図る活動
(2)まちづくりの推進を図る活動
(3)農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
(4)学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
(5)環境の保全を図る活動
(6)地域安全活動
(7)子供の健全育成を図る活動
(8)経済活動の活性化を図る活動
(9)職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
事業
(1)観光客や島民のための宿泊施設、飲食店の運営事業
(2)海洋学習イベントの開催、海洋学習施設の運営
(3)空き地及び空き家問題改善事業
(4)森林保全、森林保護事業
(5)田代島の魅力発信、地域おこしイベントの関係事業
(6)地域住民の生活支援事業
(7)その他この法人の目的を達成するために必要な事業
以上、定款より
以上を見ていただくとわかりますが、活動内容が多種多様、他業種他分野に及んでいます。
⬛︎ この活動を具体的に進めるための方法は
この多種多様な活動内容の実施をしまおこし隊独自で行おうとすると、その組織は大変大きなものになりますし、その組織の成熟に相当の年月を要します。
そこで、わたくしたちしまおこし隊自身ではプロジェクトのプランニングと指導のみを行い、各プロジェクトの実施においては信頼できる法人会員と共同で、しまおこし隊からその法人会員に業務委託をする形で進行させるプロジェクトストラクチャーを選択しました。
音楽会社がドームのような大きな会場で音楽イベントを実施する際には、その音楽会社の名を冠しながらも、会場でのイベント実施の諸業務やチケット販売に関しては各種の専門業者さんに委託するのと同じ考え方であると思います。
ストラクチャーを説明する図を作成したのでご参照ください
また、わたくしたちは、島の住人が増え、その増えた住人の方々の働く職場が島に存在する事が真の復興になると考えています。
その為には良心的な企業が島に関心を持っていただくこと、進出していただくことが必要があると考えています。
ゆえに、全てをわたくしたちしまおこし隊というNPO法人でまかなうのではなく、趣旨に賛同する様々な企業とコネクトして参加していただく事が重要であると考えていることも、このようなストラクチャーでプロジェクトを推し進めようと計画する理由です。
⬛︎ 例)古民家カフェの場合
例えば現在進行中の古民家再生・カフェ営業のプロジェクトでは、
・田代島の復興策原案の作成:しまおこし隊
・現地住民ヒアリング:しまおこし隊
・ヒアリングに基づき古民家カフェ案起案:しまおこし隊
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しまおこし隊の起案した内容の実施担当社として、雑誌海洋真時代社を選択し業務委託
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雑誌海洋真時代社は、しまおこし隊の指導のもと、資金調達から建設、店舗運営までを、自社の責任において遂行する。
しまおこし隊は資金集めにおいても全力で支援をするが、もし、建設・運営資金が足りない場合、海洋真時代社の自己資金を充当しても業務受託責任を遂行する。
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古民家カフェが利益を上げるようになった場合は、その利益は、しまおこし隊の次のプロジェクトの資金として運用・供出する。
雑誌海洋真時代社さんにおかれましては、上記、大変過酷な条件になると思いますが、わたくしたちしまおこし隊の趣旨に賛同して参加するという事は、このような基準であると考えており、海洋真時代社さんは現在資金不足に関しては自己資金を投入しながら、しまおこし隊の構想が実現するようにプロジェクトを進行してくださっています。
2、説明事項、個別の説明
(1)しまおこし隊の主たる住所は「宮城県石巻市住吉町1-6-20」であるにもかかわらず、主たる事務所に前事業年度の事業報告書、役員名簿及び定款等を備え置いていない。このことは、特定非営利活動促進法(NPO促進法)の第28条第1項及び第2項に違反するおそれがある。
(ご説明)
主たる事務所として届けている場所に、規定の書類の用意がなかったことは事実です。書類の完備を怠っておりました事をお詫び申し上げます。必要書類を完備して現状を改善いたします(7月24日までに設置予定)。
また、現在の住所地では書類をご覧いただく際に来訪者に十分なスペースが確保できない可能性がある事から、主たる事務所の移転を行います。
移転先は、田代島で改修が完了した古民家、住所:宮城県石巻市田代浜字大泊61になります。
現在の主たる事務所の住所地は、しまおこし隊会員の自宅です。
これをごくごく初期の一時的な事務所とし、別途石巻に新事務所を設置する予定でしたが、諸事情により速やかに新事務所を設置できず、この新事務所設置の遅れの中で書類完備の作業実施まで保留してしまっておりました。
重ねてお詫び申し上げます。
(2)正会員が総会の招集を受けた認識がない。このことは、NPO促進法の第14条の4に違反する恐れがある。
(ご説明)
説明要請をいただきました、2017年7月6日現在において、総会が行われていなかったことは事実で、相違ございません。
2017年7月19日に、総会を開催いたしました。開催が遅れました事をお詫び申し上げます。
NPO法人組織運営への不慣れから、事業年度に関して、法人設立日より1年間が事業年度であるとの誤認識が浸透してしまっており、当法人しまおこし隊の設立日が2016年4月26日である事から事業年度は2017年4月25日までとの誤認識がありました。
法により、事業報告の提出が事業年度終了日から3ヶ月以内との規定があり、2017年4月25日をしまおこし隊の事業年度1年目の終了日と考えると、事業報告書提出期限は2017年7月24日になる事から、事業報告書等を確認する総会も2017年7月24日までに開催すれば間に合うと考え、そもそもの総会の開催日の予定を誤って設定していた事実があります。
関係者一同この期に認識を正して、今後同じ失態の無いように修正いたしました。
(注:上記の設立日に関する記述を当初の文面では設立認証日として記述しておりましたが、2017.7.22に上記の文章に修正いたしました)
(3)事業報告書に記載の固定資産は、石巻市田代島に開設予定のWAQUA(ワクア)であるとのことだが、法人所有としての権利関係が不明である。
(ご説明)
しまおこし隊では固定資産を保有しておりません。資産に関して誤ってご報告申し上げておりました事を、お詫び申し上げます。
現在、現状と齟齬のある部分を訂正した新報告書を作成し、ご報告訂正の段取りについて、所轄庁にご相談をさせていただいております。
正しいご報告内容を、この度データでアップしております。ご確認をお願いいたします。
・しまおこし隊の事業報告等資料 平成28年(2016年)版
https://1drv.ms/f/s!AjehUnDMLcohaqHQPc898sJE4tA
・しまおこし隊の定款 (当初定款のファイル+附則改訂は別ファイル)
https://1drv.ms/f/s!AjehUnDMLcohcxq8c2MvBK6j7WA
(4)しまおこし隊の名称で行われている「田代島しまおこしプロジェクト」に係る募金活動は、特定の法人会員が統括しており、集められた募金は、その法人で管理され、当法人に入金されていない。
(ご説明)
ご指摘いただきました通り、当法人しまおこし隊への入金がない事に相違ございません。
これは、冒頭にご説明したストラクチャーにある通り、しまおこし隊が起案・監督のプロジェクトを、信頼する法人会員に資金調達から店舗運営まで一括して委託しているからです。
古民家再生のプロジェクトに関しては雑誌海洋真時代社がプロジェクト業務受託先となっているので、寄付金は集金している雑誌海洋真時代社に入りそのまま雑誌海洋真時代社から直接古民家改修に関する外注業社等に支払いされています。
また、寄付金をお預かりするメンバーは「雑誌海洋真時代株式会社」の名前が入った身分証明書を胸元に提示して、自分は雑誌海洋真時代社の者である事を告げております。同時に、その寄付金はしまおこし隊の古民家再生プロジェクトに使われる事も説明しております。それらの説明内容と異なることが行われている事実はありません。
寄付した金員が、きちんと田代島のプロジェクトに使われていないのでは無いか? (つまり、雑誌海洋真時代社が私的に使用している)とのご懸念があるようなので、募金と古民家改修費用の関係をご説明させていただきます。
・古民家改修経費:約1,000万円(実数9,982,150円)
・クラウドファウンディング(Readyfor)からの支援金:200万円(システム上2,568,000円が集まった。Readyforの手数料17%=436,560円。それを差し引くと、2,131,440円。そこから8万円のキャンセル分を差し引き、2,051,440円。ここから200万円を工事業社さんにお支払い済みで、残額が51,440円。この金額はReadyforのリターンの費用に充てられますが、この金額では足りないのでその不足分は雑誌海洋真時代社が提供)
・雑誌海洋真時代社により集められた寄付:800万円※注1(実数7,954,149円)
・プロジェクトの予算に対し、寄付・支援等で集めた金額では不足ということになれば、その不足分を雑誌海洋真時代社が資金提供します。この構造故、雑誌海洋新時代社が主動して寄付を集めています。
上の図では、見やすいように金額を概数で表記しましたが、実数で計算すると
支出合計、古民家再生費用:9,982,150円
収入、クラウドファウンディングReadyforの支援:200万円 収入、寄付:7,954,149円
収入合計:9,954,149円
→ 収支:マイナス28,001円 となり、このマイナス分は雑誌海洋真時代社が補充。
また、今後、現実的には古民家カフェスタートの為の店舗備品の購入などの支出もあり、まだ資金が必要ですが、それも雑誌海洋真時代社が補充することとなり、皆様からの寄付が集まれば、それを当てさせていただくことになります。
※図の「プロジェクト準備費用」とは現地調査やWAQUA田代島ホームページの制作など、田代島で予定している計画全体にかかわる経費の中で古民家プロジェクトにも深く関係する費用を合計したものです。
※注1:集められた寄付金は、寄付集め活動実施の必要経費を差し引いた金額です。寄付金額全体は約2,200万円でありそれに対して経費が約1400万円かかっています。今後の長期に渡る各種支援の呼びかけ・寄付集め・趣旨説明の為のギャラリーを沖縄、福岡、西宮に設置しておりその設置にかかる費用の比率が大きいことから、活動初期である現在は相対的に経費の比率が高くなっています。(本文末尾に各ギャラリの写真を掲載しております。ご参照ください)
さらに、雑誌海洋真時代社でお預かりした寄付金の内容をもっと詳しくお知りになりたい方には、雑誌海洋真時代社本社にて、保管している寄付金額と寄付者の名簿を閲覧できるように準備を進めております。こちらの閲覧に関しては、追ってこのブログにてご報告をさせていただく予定です。続報をお待ちください。
※寄付者の情報は個人情報を含んでおりますので、インターネットなどで公開することは控えさせていただきます。
以上、ご説明となります。
当法人、石巻・田代島しまおこし隊の運営において、不慣れな点が多く、皆様にご心配をおかけしております事をお詫び申し上げます。
今回ご指摘をいただいた点をもとに、改善すべきを改善して、引き続き、田代島と石巻の復興の一助となるように活動を続けて参ります。
ご心配をおかけいたしました皆さまに重ねてお詫びを申し上げさせて頂きます。
最後となりましたが、日々ご支援いただいている皆様に心より感謝を申し上げます。
NPO法人 石巻・田代島しまおこし隊 代表理事 猪狩達夫
上記内容に関するお問い合わせは、下記のメールアドレスまでお送りください。
広報担当者Eメールアドレス pr@waqua-tashirojima.com
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