近年、猫が多く住む島は”ネコ島“と呼ばれ親しまれていますが、その元祖ともいえるのが田代島です。メディアに多数取り上げられたことにより、国内はもとより海外からも愛猫家が訪れるようになりました。島の中央付近には猫を祀った「猫神社」もあり、訪問客の人気スポットとなっています。
田代島は、ノルウェー沖、カナダ・ニューファンドランド沖と並び“世界三大漁場”と呼ばれる、三陸・金華山沖に位置しています。豊富な海洋資源に囲まれたこの島は、江戸時代から現代に至るまで漁業で栄えた土地で、釣り客にも人気。海洋学習にもうってつけの場所です。
三陸・金華山沖に流れ込む黒潮(暖流)の影響で、東北地方ながら温暖な気候が特徴。降雪もあまり見られず、猫も人も暮らしやすい土地柄です。温帯地域によく見られるタブノキの林も島内に広がっています。『WAQUA 田代島』では、このタブノキを利用したツリーハウスづくり教室も構想中です。
田代島は漁業が栄え、古くは伊達政宗の仙台藩がスペインと交易するため建造した巨大帆船サン・ファン・バウティスタ号の乗組員も輩出したと言われています。その後も幕末から明治にかけ、大型廻船を持つ多数の船主を世に送り出しました。江戸時代後期から代々伝承されてきた「田代島獅子舞」という独自の伝統芸能もあります。
一方、漫画家のちばてつや氏や里中満智子氏らがロッジのデザインなどを手がけたキャンプ施設『マンガアイランド』があり、新しい文化の発信にも積極的です。